大判例

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仙台高等裁判所 昭和27年(う)688号 判決

原判決は判示第二の事実を認定しこれを刑法第百六十二条第二項第百六十三条第一項に問擬したことは所論のとおりである。しかし振替貯金払出証書の受取人記名調印欄に受領の証として受取人が其の住所氏名を記入しこれに押印することは、いわゆる官府の証券行為に属するものではなく、そのものの受領証に過ぎないのであるから当該記載部分は受取人の権利義務に関する一個の私文書とみて振替貯金払出証書とは分離し独立の存在を有すべきものであるといわなければならない。従つて窃取した振替貯金払出証書の受取人記名調印欄に擅に本人(振替貯金払出証書に指定された受取人)の氏名を冒用しその署名捺印を偽造するが如きは私文書偽造罪を構成し、これを当該郵便局係員に提出行使した所為は偽造私文書行使罪に問擬すべきが相当である。然るに前叙の如く判示した原判決は法令の解釈適用を誤つたものであつて、その誤が原判決に影響を及ぼすことが明らかである。

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